後工程をラクにするための樹脂部品モデリングの基礎をつかむ金型に活かせるモデルづくりのコツ：これだけは避けよう,金型に活用できないモデル－(1)拔き勾配－樹脂化モデルの基本は拔き勾配にあり

摘要

3次元のモデリングにおいて，製品の機能が要求する樹脂モデルと生産要件が要求する樹脂化モデルとはイコールではない．たとえば樹脂部品単体を考えた場合，製品の機能としては抜き勾配などは不要だが，それを金型を用いて大量生産するとなると抜き勾配が不可欠になる．したがって，樹脂化モデルとは最終的な量産形状のモデルであり，それは仮想成形部品ともいえる．図1（a）のモデルAと図1（b）のモデルBは一見同じモデルに見えるが，図1（b）には金型による成形に必要な抜き勾配が処理されていない．それを図2（a）のモデルA，図2（b）のモデルBのように対比させてみると，勾配チェック解析によってその違いが明確に見てとれる．