高能率加工を実現するコーテッドcBN工具「MEGACOAT CBNシリーズ」

摘要

自動車産業や産業機械などの製造業では、焼入れ鋼などの高硬度材料の加工において、設備費の削減や生産性の向上を目的に、従来の研削加工からcBN（立方晶窒化ホウ素）焼結体工具による切削加工への置換、いわゆるハードターニングが進行している。また、高性能化に対応するために部品の多様化、形状の複雑化が進み、ニアネットシェイプの観点から焼結金属の使用量が増加している。近年では、省エネルギー、省資源といった世界的な地球環境保護活動の枠細みの中で、ものづくりの現場では消費電力の削減や研削屑、廃液などの産業廃棄物の削減などの取組みが推進され、これに伴い、ハードターニング化やニアネットシェイプ化は更に注目を集め、様々な加工部品で検討が進められている。当社では、幅広いワーク材種に適応できるようにcBN焼結体とコーティングの両面から検討を重ね、8材種の「MEGACOAT CBN」を開発した。本稿では、多種多様な工業部品を安定して加工でき、高能率加工を推進するMEGACOAT CBNシリーズについて、特長と加工事例を紹介する。