ブロー成形·シート成形の最近の動向：ブロー成形へのCAE技術の活用

摘要

自動車，家電用途を中心とした樹脂部品の高機能化，品質向上に，CAE（Computer Aided Engineering；コンピュータシミュレーションによる仮想試作，仮想実験）の果たす役割は大きい．現在では，開発工期·コストの削減を達成するため，設計の初期段階でCAEによる成形性や部品性能の予測を行い，その結果を設計にフィードバックする開発スタイルが定着しつつある．特に，樹脂の流動から離型時の成形品そりまでを予測する射出成形CAE技術の発展，充実はめざましく，今日樹脂製品の開発に欠かせない技術として定着している．当社でも1980年代初頭より樹脂ユーザーに対する技術支援を目的として独自の射出成形CAEシステムTIMON (Toray Injection Molding New system)の開発をすすめてきた．同システムは，1994年から外販開始，1997年には世界初の完全3次元システム3D TIMONとして商品化され，現在では国内外で100社以上に利用されるに至っている．