無線メッシュネットワークにおけるマルチパスルーチングを用いた自律的負荷分散法

摘要

無線メッシュネットワークはアクセスポイントを複数配置することで無線LANエリアを簡易に拡大でき，耐障害性に優れた技術として注目されている．従来の無線メッシュネットワークは基本的に全てのアクセスポイントが電源接続であり，恒久的利用が想定されている．また，災害時やネットワーク環境が整っていない地域での安定利用をさせるため，バッテリ駆動のアクセスポイントを利用したバッテリ駆動無線メッシュネットワークも検討されている．このバッテリ駆動無線メッシュネットワークでは，無線センサネットワークと同様にアクセスポイントのバッテリ消費をシステムの長寿命化のために抑えることが重要である．そこで，本研究ではボトルネックとなるアクセスポイントの負荷をマルチパスルーチング技術を用いることで軽減する自律的負荷分散法を提案する．提案法では，利用する候補となる経路をシステム構築時に作球し，ゲートウェイから送信される制御パケットを基に各アクセスポイントが自律的に利用する経路を選択することで負荷分散を行う．また，シミュレーションによって提案法による負荷分散の有効性を示す．