高速ザッピング性能を備えた多分岐E-PONアクセスにおけるIPマルチキャスト配信制御法に関する研究

摘要

日本国内では，地上波アナログ放送から地上波デジタル放送への移行が完了した．これに伴い，配信事業者と通信キャリアによる地上波デジタル放送／BSデジタル放送のIP再送信サービスも本格化している．このようなIP再送信サービスでは，放送並みのサービス能力を設備効率的に実現することが望まれている．すなわち，同時に配信可能なユーザ数とチャネル数の拡大，チャネル切替の高速化（ザッピング性能），配信品質の確保（QoS）と信頼性の強化（震災対策）などが主な課題となっている．本稿では，E-PONシステム適用した配信アクセス系において，リソース利用効率が高く，従来技術よりチャネル切替え性能に優れた，IPマルチキャスト配信制御方式を提案する．また，アクセス配信効率の向上を狙った，エリア需要疎密に柔軟に対応可能な将来のPON技術（長延化と多分岐化）の出現も見据え，提案方式に関する今後の技術課題および解決に向けた改善方式の検討状況を示す．