Bloom filterを用いた高速·スケーラブルなフロー毎帯域制御方式

摘要

ネットワークに対するサービスやアプリケーションの多様化により、今後ますますフロー毎のQoSに対する要求が高まると考えられる。 しかしながら現在のルータでは、1)フロー毎の状態管理にコストがかかり、フロー数や回線速度に対するスケーラビリティーに限界がある、2) QoS制御機能がハードウエア化されており、多様化するサービス毎の要求への対応が困難である、という問題がある。 そこで本稿では、スケーラブルでカスタマイズ可能なQoS制御方式を提案する。 提案方式では、ルータとは別に制御サーバを用意し、フロー毎の状態をこの制御サーバで管理する。 制御サーバではこれを元にフロー毎の制御情報を生成し、これをbloom filterで圧縮してルータへと指示する。 従って、制御サーバではソフトウエア的にQoS制御機能をカスタマイズ可能であり、ルータではフロー状態の管理が簡略化されフロー数や回線速度に対してスケーラブルとなる。 シミュレーション評価の結果、提案方式は少ないスイッチバッファ容量においても、フロー毎にスケジューラを持つ方式とほぼ同程度の性能を有することがわかった。 また、制御サーバやルータの処理負荷も十分に低くてすむことがわかった。