オープンソースソフトウェア利用マニュアル自動生成システムの試作

摘要

オープンソースソフトウェア（以下OSS）では，そのソースコードをインターネットなどを通じて無償で公開し，一定のルールの下で，誰にでもソースコードの改良·再配布を可能としている．そのためOSSは，設計の公開性，低い導入コスト，高いコード品質などの利点から，現在，企業，官庁，大学を含む多くの組織·機関において，システム開発，研究·教育活動などを目的に，広く利用されている．一方，OSSでは“開発スピードが速く，短期間で新しいバージョンがリリースされ，マニュアルや教材が陳腐化する”，“同じOSSでもLinuxディストリビューションの違いにより，その導入手順や利用方法が異なる”といった問題点が指摘されている．加えてOSSの開発は，一般にボランティアベースで進められることが多い．そのため商用ソフトウェアに比べて，マニュアルやインストーラーの整備が進みにくく，OSSの利用·普及は進んでいない現状にある．本研究ではこれら問題点を解決するために，OSS利用マニュアル生成の省力化を目的としたシステムを開発した．開発システムを高専教育で適用し，有用性について検証した．