これからの伝熱研究を考える－大学と企業におけるニーズギャップと壁：伝熱分野における連携ギャップ

摘要

「企業の求める幅広いニーズと大学の研究方向とのニーズギャップ」を議論する特集【これからの伝熱研究を考える】に原稿を書かせていただくことになったが，伝熱分野において，大学や公的研究所と産業とのギャップの克服あるいは連携の必要性が叫ばれて久しい．本会においてもFill-Gapなる委員会が置かれていると了解している．Fill-Gapの一環として産学連携に関する合宿も行われた．伝熱シンポジウムにおいてオーガナイズドセッションも企画され，技術応用を考えたテーマも選択されている．個人的にも，伝熱シンポジウムにおける宿題セッションや冠セッションの提案なども行ってきた．別の学会であるが，学術論文投稿時に技術応用解説を同時に提出することも提案し，実施してきた．伝熱学会に関する限り，問題ははっきりしていると思っている．すなわち，今までの議論を集約し，何が実行され，何が継続され，何が解決し，何が問題として残っているのかという当然の改善プロセスを繰り返し，課題を順次解決してゆくことが重要であると思う．積み重ねが行われていないような気がしてならない．これが基本であると信じるが，以下に思うところを記しておきたい．