ファン·ブロワのメンテ PART 2：ファン·ブロワの異常診断

摘要

ファン·ブロワにおいて発生の可能性がある設備異常の種類には，以下の様なものがあげられる。 (1)羽根部における異常スケールの付着，摩耗や腐食から来るアンバランス現象，締結部に弛み·ガタや接触，旋回失速，サージング，(2)主軸における異常主軸の曲がりや摩耗，(3)連結部における異常カップリングやプーリーのミスアライメント，(4)転がり軸受における異常レース面や転動体面におけるキズや油ぎれ，異物混入，嵌め合いガタ，(5)すべり軸受における異常ラビングやオイルウィップ，金属接触，(6)基礎部の異常剛性不足や共振，劣化，腐食，基礎ボルト締結不良，これらの異常については，OSI (On Stream Inspection)のひとつである振動診断技術によって異常検出·モニタリングが可能である。しかし，振動診断も全ての異常検出が可能という訳ではなく，次の様な異常については，目視検査や浸透探傷試験及び超音波探傷試験などの非破壊検査や寸法検査といった定修時などに行うSDI (Shut Down Inspection)による異常検出を行う必要がある。(7)ケーシング部の腐食，割れ，(8)羽根部の腐食，割れ，(9)主軸の割れ，摩耗，(10)軸封部の破損，摩耗による洩れ。さらに，定修周期の延長を図るには，材質の変更や設計の変更などの検討が必要となる場合がある。本文では振動診断法によるファン·ブロワの異常診断について，事例を交えて紹介する。