局所麻酔薬の神経再生に及ぼす効果と神経ブロックへの応用：神経ブロック改良の試み

摘要

局所麻酔薬は，痺痛部位あるいは手術部位での痛みの知覚を消失させるために広く臨床使用されている 。 もともと，高地での頭痛を抑えるために高所居住者が使用していたコカの柔から抽出?精製されたコカインが起源であり，数々の誘導体が合成されて臨床応用に至っている。現在量も多く使用されているのは，リドカイン，メビバカイン，ブビバカイン，ロビバカインなどであり，作用時間や局所浸潤怪の違いから使い分けられてはいるが，基本的には同様の性質を持っている。 神経細胞の膜表面にある陽イオンチャネルを塞ぐことにより，神経細胞の興奮性を停止させるが，その作用は可逆的であり，短いもので30分，長いものでも4から6時間程度の作用時間である。 リドカインは心臓の異所隆興奮性も抑制する作用があるため．