近年，室内住宅の快適性が求められ，高気密化·高断熱化が進む中，建築資材（合板·ボード·接着剤·塗料）などから放散するホルムアルデヒド，およびトルエン·キシレンなどの揮発性有機化合物（VOC）が原因で，「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」と呼ばれる健康障害が社会問題となっている。 この間題の対応策として，国や各省庁によってさまざまな角度から，室内VOCの濃度規制が実施されている。 主な対策·規制としては，次のようなものがある。 ① 厚生労働省は「室内空気汚染に関るガイドライン（H 9年）」：13化学物質の室内濃度指針値を設定する。 ② 文部科学省は「『学校環境衛生の基準』の一部改定（H 14年4月～）」：室内濃度測定を行い，厚生労働省の指針値以下にすることを義務づけ『出口規制』を実施する。 ③ 国土交通省は「建築基準法の一部改正（H 15年7月～）」：ホルムアルデヒド·クロルビリホスが放散される建築資材の使用を制限する『入り口規制』を実施する。
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