屋外暴露試験·あれこれ

摘要

これまで,『塗装技術』誌には，耐候性予測シミュレーションに関連するものを寄稿してきた。 今回は観点を変えて,耐候性試験の原点である「屋外暴露試験」のノウハウや勘所を整理しておきたい。 屋外暴露試験では,環境劣化因子が把握された条件で実施されれば,多くの知見が得られる。 今日に至っても，自然環境下の劣化因子を完全に把握できていない。 世界的に見てみると地域によって環境劣化因子の概念が異なっており,欧州では水分の影響＝酸性雨と認識されているが,日本では高温多湿な気候条件のことになろう。最新の人工促進劣化試験でも，自然環境下での材料の劣化現象を完全に再現できる試験機は存在せず，劣化因子を選択的に作用させるのにとどまっている。 屋外暴露試験結果と人工促進劣化試験の結果に相関性がない材料もある。 試験装置を開発するにも，自然から学ばねばならない。