環境に配慮した塗装仕上げテザインの実際

摘要

かつての建築塗装における作業は，朝早く起きて，自転車でその日の塗装作業現場に向かい，そこに着いたらまずペール缶に水を入れて温め，その中に乾燥した硬い膠（にかわ）を入れて，溶解させることから始まったものである。 壁に塗布する水性塗材といっても，そのころは膠を溶かした水溶液に胡粉（ごふん）を入れ，よく混合させてネットの節（ふるい）にかけ，均一に漉（こ）してつくり,水性パケで塗布したものである。 なぜ，朝早くから現場でそのような作業をするかというと，膠は乾燥している状態の時には何ら変化はないのだが，いったん溶解させてしまうと,腐敗が早く進行するため，その日に生成した塗材は,その日のうちに使いきってしまわないと，使えなくなってしまうからである。 そのように，仕事始めの段取りとして，塗装する前には時間がかかったのである。