子供たちのための「たたら製鉄」

摘要

日本列島で昔より行われてきた製鉄法は，よく「たたら製鉄」と呼ばれていますが,東北地方では「どうや」とも言われます。 この「古くからの製鉄法」は歴史的にさまざまな変化や発達がありましたので, 厳密には「古代製鉄」と「たたら製鉄」を分けて使うこともあります。 でも、かんたんに言えば，原料となる鉄を含む鉱物や岩石から木炭や薪などを使い,炉で金属鉄（人間が使える鉄）をつくる方法です。 日本列島の製鉄の始まりは中国地方のようですが,まもなく東北地方を始め全国各地で行われるようになりました。 現在は奥出雲（島根県）が特に有名ですが，それは江戸時代の中期以降に大だたちが盛んになったからです（写真1）。 しかし明治時代から近代製鉄技術が発展し，安くて均質の鉄鋼樹料が市場に流通するようになり，とうとう大正12（1923）年に大だたらの火は消えてしまいました。