三畳紀中期大型魚竜化石ベザノザウルス--歌津町魚竜館の展示から

摘要

宮城県本吉郡歌津町にある歌津町魚竜館では，平成11年7月20日から8月30日まで世界の魚竜化石（5種類）の展示を行いましたが，ベザノザウルスだけは実物大の写真による展示にとどまっていました。 平成11年11月6日の国際魚竜化石サミットと歌津町·ベザーノ町友好都市締結を機に，地質調査所地質標本館と共同研究を行っているミラノ自然史博物館，ジョルジョ·テルチイ博士に歌津町がべザノザウルスのレプリカ標本の製作を依頼，平成12年3月に完成し3月末に空輸されました。 ベザノザウルスは北イタリア·スイス国境の町ベザーノ，サンジョルジョ山中腹の化石産地サッソウカルドで1993年に発見された魚電化石です。 ベザノザウルスはベザノ層の瀝青質頁岩部分から発見され，その後,1996年にミラノ自然史博物館のダル·サッソウ博士とピンナ博士によりシャスタザウルス科に属する新属·新種の魚竜として記載されました。 ベザノザウルスは体長5mを越える大きな魚竜で，細長い胴体と長い尾，細長い物部を持ち，比較的小さな頭蓋骨が特徴です。またベザノザウルスと一緒にクダノハマ魚竜と近縁なミクソザウルスも発見されています。 今回，発見されたベザノザウルスの胸郭部には"ベザノザウルスの胎児"が入った状態で発掘されました。