近代化産業遺産「多里地域クロム鉱山」

摘要

平成20年度，鳥取県日南町の多里地域のクロム鉱山を中心とした「耐火煉瓦製造の進展と原料開発」に関わる産業群が，経済産業省の「産業遺産群続33」（経済産業省，2009）に認定された。この産業通産とは，主に「モノづくり大国·日本」にあって幕末から昭和初期にかけて，日本の近代化に大きな貢献をした産業群（建造物·機械等）に対して与えられるもので，平成19年度に33件（経済産業省，2008），そして平成20年度に33件（経済産業省，2009）が選定された。日本の近代化の中でそれを支えた，個々の産業単位では，その価値が伝わりにくいことから，先人の歩みを知り，将来に向けての活力に繋げるとともに地域活性化に役立てることを目的に「近代化産業遺産群」が設けられたのである（経済産業省，2008）。