標準250mメッシューレイヤー系を用いた地熱資源評価の事例研究（その2）：20万分の1地勢図「大分」地域の簡易3次元的資源評価

摘要

電子情報技術（IT）を通じた多種多様な地理·地球科学情報の統合利用は，自然災害防止，環境保全，地下資源開発などの分野に今後必要不可欠である。 特に，火山-温泉-自然公園地域に分布する地熱資源については，探査のみならず開発·保全などの最適化への応用は非常に重要である。これに寄与する目的で，筆者らは2001年より「地理情報システム（GIS）を利用した地熱資源の評価（アセスメント）の研究」を進めてきた。 その第1期の取りまとめの一環として，茂野（2005）および本説では「大分」地域についての2次元－3次元の地熱資源評価の事例研究の概要を整理·紹介した。 本研究では，その特徴として標準化·共通化·公開化に適した電子データフォーマット（テキスト形式の250mメッシューレイヤー系）を使用している。 従って，各種の市販および自作のソフトウエアを利用することにより，今回編集-処理した電子データの再検討や再解析，さらに新たな様々な試行を容易（比較的）に行うことができる。 なお，上記のメッシュ形式は，発展的に階層的（1km－250m－50mなどのメッシューレイヤー系）なデータの処理も容易に可能である（茂野·阪口，2002）が，前述したように現状では日本測地系に基づいており，将来的に世界測地系への変換が必要である。