京都盆地の第四紀地質

摘要

地質情報展2005きょうとでは，京都に関わる地質の展示·説明が行われた．京都盆地は，古く平安時代から日本の都が置かれたところであり，人々は自然の作った地形．地質条件と関わりながら生活してきた。 京都盆地を取り囲む山々は丹波帯の地層群や深成岩賢からなり，縁辺部の丘陵には大阪層群や段丘堆積物が分布している．先人達は周辺の山を里山とし，そこから湧き出る水を利用してきた。京都盆地の東部には鴨川流系の扇状地堆積物が厚く堆積している．西部の桂川流系は扇状地が発達しないため，盆地全体としては東が西より高いという特徴を持っている。そのため標高が高く，水はけがよい盆地東部を古都の中心として利用した。 盆地南部では，琵琶湖を水源とする宇治川と上野盆地から流下する木津川が流れ，大阪平野との境界で桂川と合流し淀川となって大阪平野に流れ出す．木津川は多くの土砂を京都盆地に運び込み，標高の高いところから流れ下るため，ひとたび氾濫が起こると低地側にある宇治川を逆流するようなこともしばしばであった。このため三川の合流地点を下流側にずらし。傾斜を緩くするという操作を行うことで災害と戦ってきた。 〉谒募o地質は人との関わりという視点から「こんな京都見物もいかがでしょうか？ 」，「京都盆地の地下地質構造」，「京都盆地南部の地盤」の3部構成で展示を行った．