光学的計測手法を用いた軍艦島護岸の計測とモニタリング－UAV·3Dレーザ·写真解析·デガピクセル画像

摘要

しかしこれまではあくまでも島内からの計測であり，軍艦島を波浪から護る護岸については実施していない．これら護岸は，島内の建造物と同様，損傷の度合いが激しく一部には大きな亀裂が入り，島の存続に関わる緊急性の高い問題となっている．3Dレーザで計測するには機器を固定させる必要があるが，外海側には固定できる箇所は限られている．そこで予め世界測地系を基準に飛行経路を設定しておくことで自動飛行が可能なUAV（無人航空機）にカメラを搭載して上空からステレオ撮影を行い，この画像と部分的に取得できた3Dレーザ計測結果から写真解析を行うことで護岸の形状モデルの生成，損傷把握の程度，及びその精度について検証した．また従来ひび割れの詳細撮影は，望遠レンズを装着し実施されてきたが，同手法では撮影画角が狭く撮影位置の特定などに課題があった．今回予め設定した撮影範囲内を連続的に撮影し，自動連結（Stitch）することができるギガピクセル画像撮影システムを用いることでそれらの効率化について検証した．本論文は，これまで調査，計測を実施していない護岸周りの計測手法に焦点を当て，これらの調査手法の有効性について報告する．