バイオメトリクスにおける生体検知と登録失敗(2)－静脈認証システムに関する研究（その1）

摘要

指静脈認証システムに対して提示した指でない対象物が登録できるかどうか，および登録できた場合，同じ対象物をもう一度提示して照合できるかどうかを実験的に評価する方法について，考察した．指紋，虹彩，静脈なとの身体的特徴を用いた個人認証技術（バイオメトリック認証技術）のセキュリティを評価する際の必須項目である，バイオメトリック対象物の偽造や偽装の困難性（あるいは容易性）について，筆者らは2000年7月から指紋照合技術に関し，また2003年7月から虹彩照合技術に関し脆弱性研究報告を行ってきた．これらの結果は内外の多くの研究者により追試され妥当であることが確認されている．指紋照合についての最新の結果については記事を参照されたい．また，身体的特徴の偽造に関する脆弱性評価の重要性についてはも参照されたい．