体幹部X線CT画像における横隔膜の位置情報を用いた大腰筋自動認識法の改良

摘要

我々はこれまでに，非造影体幹部X線CT画像から骨格情報を用いた大腰筋の自動認識手法を提案し，解剖学に基づく特徴点の検出は，骨格筋の自動分類に有効な手法であると確認した．従来法では，骨格からの位置情報を利用し，骨格筋の芯線により大腰筋の自動認識を行っているが，大腰筋上部において正解画像との比較により，抽出率が低いという問題点を報告している．本論文では，横隔膜は腰椎部において大腰筋と隣接することから，上記手法に横隔膜の位置情報を用いることで大腰筋上部の認識精度が改善できることを示す．15症例に適用し，従来法における平均一致率81％に比べ10％の精度向上という結果が得られ，本手法の有効性が確認できた．