色盲者支援のための混同線理論に基づく認識困難領域検出

摘要

近年のコンピュータやプリンタ，プロジェクタの普及により，ポスターやプレゼンテーションによる情報発信が非常に容易となった．多くのポスターやプレゼンテーションでは，色を利用した情報提供がされているが，人間の色覚は普遍的なものではないため，情報が正確に伝わらないという問題が生じる．特に色盲は遺伝的背景による色覚の差異であり，予防，治療とも不可能なため，色盲者を支援するための研究が多くなざれている．筆者らの研究グループでは，色盲者を直接支援するための既存研究における，どこに支援すべき領域があるのか分からないという問題に対処するため，カメラから取り込んだ画像のどの領域に支援すべき色遣いがあるか検出するシステムを提案し，その構築を進めてきた．本稿では，被験者実験により提案システムと既存ツールの比較を行い，提案システムの有効性の評価を行う．