画像構成基本要素に基づいた自然画像符号化手法についての研究

摘要

画像符号化の標準手法であるJPEGやJPEG2000では，圧縮時にモスキートノイズやリンギング歪など，エッジ周辺に不自然な劣化が発生する問題がある．これは従来手法で用いられている画像モデルが個々の画素を復元するためのものであり，画素の集合としての形状を考慮していないことが原因である．これに対し，我々は先行研究において画像がエッジ，フラット，グラデーションの3つの領域で構成されているという画像モデルに基づき，各領域の特徴を強調，単純化して得られる形状（基本要素とする）を用いた画像再構成手法を提案した．提案手法は従来手法と比べて不自然な劣イヒが少ない画像を得られるが，符号化を行っていないために情報量が多いという問題点があった．そこで本稿では先行研究における画像再構成手法を画像符号化へ応用するため，まずグラデーション領域に対して予測符号化を行い，情報量の削減を行った．