熱音響冷却システムの実用化に向けた研究－太陽エネルギーを利用した新しい冷却システム構築への試み

摘要

熱音響冷却システムは熱を入力することにより，冷却が可能となるシステムである．我々は，システムへの熱入力源として，絶えず地球に降り注ぐ太陽エネルギーを利用する．太陽光をフレネルレンズにより集光し，その焦点を熱音響冷却システムの熱入力部に当てることにより，システムへの熱入力を行う．その結果，熱入力部が高温となり，管内に設置したエネルギー変換素子の両端に急激な温度勾配が形成され，音波が発生する．その音波により，冷却が行われる．本報告では，太陽エネルギーを利用したループ管の駆動及び冷却を試みた．その結果，システムの駆動及び冷却に成功した．太陽エネルギーは年間を通して異なるため，長期駆動に向けて，4月から12月にかけて各月下旬に測定を行った．その結果，季節により冷却能力が異なることも分かった．