大気圧プラズマによる表面改質--表面改質装置'Aiplasma'の実用化事例

摘要

電子機器の小型化，高密度実装化に伴い，部品実装における接合強度の向上や界面の密着性改善の要求が非常に大きくなってきている。 また，液晶パネル業界では基板の大型化が進んでおり，高品質化とともにコスト削減が重要な課題である。 これらのトレンドを背景に，高効率のドライ洗浄·表面改質技術の開発が急務となっている。ドライ技術としてこれまで減圧プラズマ処理が主流であったが，バッチ処理のため生産性に課題があり，また真空容器の制約から大型基板の処理が難しかった，また大型液晶パネル用途では低圧水銀UVや近年開発されたエキシマUVが主流になっているが，製造タクトの短縮，歩留り向上の必要性から洗浄能力のレベルアップが要求されている。当社では液晶パネルや電子部品の接合強度向上を目的としたリモート式大気圧プラズマ洗浄装置[Aiplasma」を世界で初めて商品化した。 さらに，本技術をベースとし大型液晶用大気圧プラズマ洗浄装置の商品化に取り組んできた。 本稿では，大気圧プラズマの実用化事例として，液晶パネルおよび電子部品の洗浄·接合性改善効果，プリント回路基板のめっき密着性の改善，および樹脂の接着強度改善について概説し，エレクトロニクス実装分野への応用を展望したい。