フライホイールによる電力貯蔵技術

摘要

東日本大震災以降，電力貯蔵システムがにわかに脚光を浴びている。電力系統に対して，電力貯蔵システムは主に2つの役割を持っている。長時間（長周期）の系統電力補償変動と短時間（短周期）の電力変動補償である。前者は余剰電力の発生を抑制するため，1日単位の補償であり，たとえば夜間の電力を蓄えて電力使用の日中のピーク時に放電するシステムである。後者は，系統周波数の安定化のため，風力発電や太陽光発電の数分以下の変動を抑制するシステムである。離島や遠隔地等の大規模系統から独立した電力系統においては，電力変動の調整力が弱いため，周波数変動，電圧変動を抑制し電力の安定供給から短周期の変動補償は不可欠である。