高度排水処理用担体の開発―背景、法規から硝化用担体KPパールの開発·展開まで―

摘要

水は生活環境を構成する重要な要素であり、水環境の保全が大きな課題となっている。 特に、水環境中で起きる富栄養化はアオコ、赤潮、青潮の発生の原因とされている。 富栄養化の原因物質の一つである窒素·リンの除去を行うためには、高度生物処理を行う必要があるが、生物処理法は反応速度が遅いため処理施設が広大になるという欠点がある。それゆえ、施設用地が不足しがちな都市部の下水処理場において窒素除去を行うためには、コンパクトで高速な生物処理装置の開発が求められていた。 また、下水道が整備されていない地域においても、窒素·リンを処理できる高度合併浄化槽の整備が求められている。