タンパク質間相互作用を阻害するデブシド類天然物の再発見

摘要

タンパク質間相互作用は，生体 内の無数のシグナル伝達において重要な役割を担っている.ヒトの 場合，数十万を超えるタンパク質 間相互作用の存在が予測されてお り，特定のタンパク質間相互作用 のみをコントロールできれば，新たな作用メカニズムを有する薬剤 の開発につながると期待される.今回Majmudarらは，DNA遺伝 情報の転写を制御する重要なコア クチベータ一の1つであるCBP/P300と転写活性化因子との複合 体形成を特異的に阻害するリガン ドとして，地衣類由来のデブシド 類天然物セキカ酸(1)を見いだしたので紹介する.