民族差に関する日中韓共同研究の現状

摘要

近年，日本における臨床開発戦略が，国内だけでの開発から国際共同開発へとシフトしている.この背景には，医薬品開発費の高騰化により，開発コストを削減する必要性が高まってきたこと，ICHによる規制基準の国際的整合化が進んだことにより，ICH基準を満たせば，非ICH地域で実施した臨床試験データについてもICHの規制当局で受け入れ可能となったことなどがあげられる.本邦においても，2007年に国際共同治験に関する基本的考え方が通知されたことで，国際共同治験の実施数およびその割合が増加しており，近年では，治験全体の約20-25%程度が，国際共同治験として実施されている.