排尿障害

摘要

排尿に関与する尿道·膀胱はコリン作動性神経支配である。そのため向精神薬のうち抗コリン作用を有する薬剤は. 薬剤性排尿障害の原因となりうる。代表的なものとして.三環系抗うつ薬.従来の低カ価抗精神病薬.抗コリン性抗パーキンソン薬があげられる。抗コリン作用による排尿障害の発現頻度には用量依存性があると考えられており，基本的には原因薬剤の減量により対処する。しかし，抗精神病薬の副作用止めとして使用される抗コリン性抗パーキンソン薬による場合は，抗精神病薬の変更を含めた対応が必要となる。また，抗コリン性抗パーキンソン薬の急激な減量·中止は離脱症状や悪性症候群を生じるので，日数をかけて徐々に行う。