非侵襲的全へモグロビン濃度測定が有効であつた 脳死下臓器提供の1症例

摘要

脳死下臓器摘出術の呼吸?循環管理の目標は， 移植臓器の機能温存である。臓器血流の維持と低 酸素血症の防止が臓器機能維持に重要である が，われわれは非侵襲的全ヘモグロビン濃度(SpHb)を連続的にモニタリングしながら術中の 呼吸，循環を管理したので報告する。60歳代，女性，身長148cm，体重52 kg。未治療の高血圧があった。201X年某日，自宅で意識消失し，当院高度救命 救急センターに搬入された。搬入時，人工呼吸下 で意識はグラスゴー昏睡尺度（Glasgow coma scale ： GCS) 3,対光反射はなく，脈拍は102 beats?min~(-1)で，血圧は大腿動脈で弱く触知する のみであった。