超音波ガイド下観血的動脈圧ライン確保

摘要

既往歴は，慢性閉塞性肺障害，慢性心不全，心房細動，脳梗塞後遺症のため意識障害があり，寝たきりであった。今回，左下肢虚血性壊死に対して左下肢離断術が予定された。循環モニタリングおよび血液ガスの測定のため，Aラインの確保を試みた。左橈骨動脈の触診で動脈硬化が強かったため，BDィンサイト-Aの22G(日本べクトン·ディッキンソン社）を使用，1回で穿刺できたが，外筒挿入途中1cm程度で抵抗があり，それ以上は挿入できなかった。ラインの確保が確実でないため，そのまま断念し，外筒を抜去した。超音波診断装置(iLook 25, Sonosite社)を用いて観察したところ，穿刺部付近で，強い石灰化とともに血管内腔の狭小化を認めた。