術中体温モニターとしてのイヤホン型赤外線式持続鼓膜温測定の有用性

摘要

本邦における全身麻酔中の体温測定は，サーミスタ型温度センサーを用いた直腸温，膀胱温，あるいは食道温が主流である。 しかし，これらはすべて侵襲性があり，覚醒時の挿入は難しい。 また，これらの体温測定法はすべて体液に接触するため，衛生上の問題点も指摘される。 全身麻酔時のみならず，鎮静あるいは区域麻酔時においても体温が変化することが知られており，そのような場合は腋窩温や非接触型鼓膜温で代用することが多い。