肺癌治療における分子標的薬の薬剤経済学的評価

摘要

近年，先進諸国では医療費の高騰が大きな 社会問題として認識され，政策レベルにおい ても医療の効率化が課題となっている.わが国でも国民医療費は2011年度において38兆 5，850億円となっており，年々増加傾向にあ る.そのような状況の中，わが国では2003年 より診断群分類(Diagnosis Procedure Combination ；DPC)に基づく包括支払い制度が 開始された.こうした医療体制の変化に伴い， 医療従事者は患者に対して最良の医療を限ら れた医療資源の中で提供することが求められ るようになってきており，成果と費用を同時 に計測し比較する薬剤経済学への関心が高 まっている.