青森県太平洋沿岸部の津波被災農地周辺の井戸水質の動向

摘要

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震 による津波により, 青森県太平洋沿岸部では県最南の 階上町-最北に位置する東通村までの全長約87km にわたり計79 haが冠水した。中でも; 青森県八戸市 市川地区(図-1の点C)は; 五戸川河口付近と奥入瀬 川右岸の最下流域に農地が多く分布する低平地の農業 地帯である。本地区の農地では水稲，コムギ，ハウス ィ千ゴなどの耕種作物が作付けされていたが，震災津 波により農用地，イチゴビニールハウス（114a， 48棟 力全半壊，82 a, 35棟が浸水被害)，水産加工工場を含 む約53ha力5'冠水被害を受けた。また，八戸市の北に 位置する，おいらせ町および三沢市の沿岸部において も，農地の冠水.土砂流入，ビニールハウスや養鶏, 養豚場の倒壊などの被害を受けた。その後，炎害復旧 事業や除塩事業などによつて早急に農地の除塩が完了 し，一部の水田において水稲が作付けできるように なった。