制御されたピストン速度により動的成形される金属粉末内を伝搬する波（第2報：正弦波状運動で制御されたピストンによる成形）

摘要

正弦波状に制御されたピストン速度で銅粉末媒質を圧縮成形するとき，媒質内に生じる波の挙動および最終密度分布を解析し以下のことがわかった．(1)正弦波状に制御されたピストン速度により銅粉末媒質を圧縮成形するとき，平坦な密度分布を有する成形体が得られる．(2)加圧時の加速度および最大速度時の速度が大きい場合には，成形初期段階から衝撃波が形成され，媒質密度上昇は衝撃波頭での衝撃圧縮に依存する．一方，加圧時の加速度および最大速度時の速度が小さい場合には，衝撃波の形成には伝搬距離と伝搬時間を必要とするため，媒質密度上昇は連続圧縮に依存する．急峻化した波頭をもつ衝撃波が形成されたときには，正弦波状にピストン速度が減速過程に入っているため，衝撃波の振幅は小さく密度上昇には数多くの媒質内の往復を必要とし，この振幅の小さい衝撃波は媒質密度の平坦化に貢献する．