フェムト秒レーザーによる金属材料上への微細構造形成

摘要

本研究では、繰り返し周波数1kHz、パルス幅100fsのチタンサファイアレーザーを使用し、材料表面に構造形成実験を行った。 また、形成された構造の表面形態を調べるとともに結晶構造を調べた。 試料として純チタン基板を用いた。 純チタンは、比較的低密度、高引張り強度、高耐食性という特長から極めて有用な工業材料である。 常温ではhcp構造のα単相組織であり、885℃(1158K)でbcc構造のβ相に変化する。融点は1668℃で比較的高温である。 強度や耐食性のみならず、成形性にも優れているため、化学工業用や熱交換器に多く使用されている。 生体に対して不活性であるということから、歯根や人工骨、生体埋め込み機器の材料としても利用されている。