核融合炉用高平均出力レーザードライバー(HALNA)の開発研究

摘要

近年のレーザー核融合研究の進展は目覚ましく、大阪大学では1980年代から1990年代にかけて核融合点火に必要な超高温度（1億度）と超高密度（1000倍圧縮）の状態を個別に達成した。 1995 年には米国ロチェスター大学において100兆個の中性子発生が確認され、さらに2001年、大阪大学ではコーン付きシェルターゲットを加熱用レーザーによって圧縮しPWレーザーよって1keVまで追加熱することに成功し、高速点火方式の可能性が示された。これらの成果を受け米国ローレンスリバモア国立研究所(LLNL）におけるNIF (National Ignition Facility)計画やフランス原子力庁(CEA)で進められているLMJ (Laser Mega Joule)計画等のメガジュール(MJ)級のレーザー施設の建設や新たなレーザー核融合方式として注目される高速点火方式のFIREX計画の進展など核融合点火、燃焼、エネルギー利得の実証が近い将来現実のものとなってきた。