ABBのパワーエレクトロニクスによる駆動変圧器の小型化「PETT」

摘要

小さいことは素晴らしいとしばしばいわれる．しかし技術的な観点からは，小型化した方がより良いという沢山の他の理由がある．多くの応用では重量と寸法は生産性に直接影響し，「小型軽量化」に多くの研究が行なわれてきた．しかしいくつかの製品ではこの傾向に従っていない．電力変圧器の最小寸法は磁界を確保するために鉄芯部は所定の寸法を有せねばならず，本質的に物理学法則で決まる．変圧器の一つの特別な応用分野が鉄道である．変圧器占有面積が大きいと，乗客用面積が少なくなる．また重量は許容軸重を決める要素になり，加速に要する電力も多くなる．この製品を小型軽量化するために，幸いにして物理学法則で周波数が改良の視点を与えてくれる．周波数を上げれば，必要な鉄芯は小さくなる．この原理は，パソコン充電器のような低電力製品では実用化されている．しかし鉄道用変圧器のような大電力重負荷への応用は容易ではない．ABBはこれに挑戦し，PETT （Power-electronic traction transformer）の試作品を開発し，現在実際の機関車で試験中である．