東海道·山陽直通用新型新幹線車両N700Aの営業投入について

摘要

当社は，東海道·山陽新幹線直通車両N700系1000春代新幹線電車（以下，N700Aという）を今年2月に営業投入した．2007（平成19）年にデビューしたN700系0番代新幹線電車（以下，N700系という）は，非常ブレーキ距離の短縮や逸脱防止ストッパの装備による，地震時等のさらなる安全性向上，日本の新幹線で初めてとなる車体傾斜システムの採用による，曲線通過時のさらなる高速化，全車セミアクティブ制振制御装置の採用による，さらなる乗り心地の向上を図るなど，当時の最新の技術開発成果や知見を取り入れた車両であり，5年間という短期間で80編成を集中投入することで，東海道·山陽新幹線の質的向上に大きく貢献してきた．一方，当社の小牧研究開発施設や，N700系量産先行試作車（以下，ZO編成という）を用いた技術開発と走行試験を間断なく行なうことで，N700系デビューからわずか6年目にN700Aを投入することが可能となった．N700Aは，当社で開発してきた成果を取り入れ，さらなる安全性，安定性の向上環境負荷低減を図り，高いレベルにあるN700系をさらに進化させた，極めて高性能な車両となっている．