PIV計測の原理と応用

摘要

写真技術が発達し，連写や正確なシャッタータイミングの管理が可能となったとき，流れの可視化写真を使って定量的な計測ができるかも知れないと思いついたことは，振り返ってみれば至極自然な発想であった。PIV （Particle Image Velocimetry）の解説には，このような試みが今からおおよそ100年前に行われていた例が引用される。1917年に発表されたNayler，Frazerの論文で，シネフィルムに撮影された粒子像を一つ一つ手作業で解析し，速度分布を求めた結果が示されている。しかし，人の判断に依らない計測システムが成立するには，それから半世紀以上の時間の経過が必要であった。