揮発性有機化合物(VOC)測定用パッシブサンプラの比較·檢証

摘要

近年，住宅の壁材，床材等に使用されている接着剤，防虫剤等から放散されるホルムアルデヒド類及び揮発性有機化合物（以下「VOC」という。 ）が原因といわれているシックハウス症候群の患者の増加が大きな社会問題になっており，室内空気中の化学物質濃度の測定需要が急速に増加している。 こうした中，その測定方法に関する標準化が財団法人建材試験センターを事務局とするJIS原案作成委員会において進められ，比較的簡易なVOC測定方法であるパッシブサンプリング法（ISO16017- 2「Indoor, ambient and workplace air-Sampling and analysis of volatile organic compounds by Sorbent tube/thermal desorption/capillary gas Chromatography-Part 2: Diffusive sampling」のJIS化）についても審議が行われた。 この審議に資するため，国内に流通する各種パッシブサンプラを対象に，測定値及び測定精度の比較·検証を行うこととし，小形チャンバーを用いて，パッシブサンプラの基本的性能及び温湿度等の環境要因による測定結果への影響を調査した。また，室内同一空気質の下で，より実際の測定に即した条件での比較·検証を行った。 これらの調査結果概要を以下に示す。