一軸方向に熱収縮する二軸延伸共重合ポリエステルフィルムの製膜方法に関する研究－第2報 フィルム構造と収縮特性の関係

摘要

これまでシュリンクフイルムは，延伸方向（配向方向）にのみ収縮すると考えられていた．しかし，前報において逐次二軸延伸方式の一つである横（TD）方向延伸－縦（MD）方向延伸法を用いて，TD延伸－熱処理（TS1）－MD 延伸－熱処理（TS2）の工程で行い，TS1の温度をガラス転移点（Tg）以上である130℃にする事で，二軸に延伸するがMD方向のみ収縮し，かつMD·TD方向の力学特性が高い非晶性共重合ポリエステル（Co-PES）シュリンクフィルムを得る事を報告した．しかし，TS1の温度を高くする事によるフィルムの構造変化は不明確である．これまで結晶性ポリエチレンテレフタレート（PET）の延伸後の熱処理においては，多くの報告がされている．沢渡らはPETの延伸や熱処理による構造について光散乱法や結晶化度の測定で報告している．Greenerらは熱処理温度と結晶化度の関係を報告している．