ゴムは外力によって容易に変形する特性を持つため,粒子状,パウダー状への加工が難しい.原料ゴムは35kg程が1塊となったベールか数mmから数十mm厚のシートで扱われる.このような材料は連続的な定量供給が困難であることから,バッチ式の混練機が適用されるケースが多い.ゴムの加工プロセスには,当初オープンロールが用いられ,作業者が目視によって練の状態を観察しながら行われていたが,添加剤の飛散や臭気の問題から,1980年代からロール全体を覆った密閉型の混練機(以下ゴム混練機)が開発されるようになった.現在使用されている密閉型混練機の基本となるものは,1916年にFernley H. Banbary博士によって発明されている.図2に当時のコンセプトを示すが,混練機は発明以来ほぼ100年を経ているが,基本的なコンセプトは現在でも大きく変わっていない.しかしながら,混練物の変化に伴い,装置を構成する各要素の機能,性能は開発·改良により進歩し続けている.本解説ではゴム混練機の機能及び最新の混練技術について説明する.
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