金型内塗装技術

摘要

射出成形品の表面加飾技術には塗装，貼り合わせ，転写フィルム，ホットスタンプ，水圧転写等々様々な方法が利用されている．しかし近年はBRICsといわれる国々の経済発展に伴い，国際的な競争力を確保するためのコストダウン要求が強く，これらの加飾技術にも加飾性とコストダウンの両立が強く求められている．一方，今年3月11日に東北地方を襲った大地震の影響で，電力の供給体制に不安が広がり，電気（エネルギー）を使わない技術が求められている．自動車を例にとると，エネルギー消費は1位が鋳造，2位が塗装，3位が切削…と続くとのことである．つまり塗装はエネルギー消費も非常に大きい工法といえる．こうした時代背景の中で，熱可塑性樹脂への金型内塗装成形（In Mold Coating：IMC成形）は，省エネ，低い環境負荷といった特徴により，時代の要請にこたえることが可能な技術と、して改めて注目されようとしている．本項では大日本塗料と宇部興産機械で開発した熱可塑性樹脂への金型内塗装技術（Imprest成形技術）を中心にその現状を紹介する．