動脈性消化管出血に対するTAE

摘要

動脈性消化管出血の75％が保存的治療で止血するが、残り25％では積極的な治療介入が必要になる。動脈性消化管出血に対する治療のfirstchoiceは内視鏡的治療であり、内視鏡的治療による止血が不成功に終わった場合、Second choice として経カテーテル的動脈塞栓術（以下、TAE）をはじめとするIVRが挙げられる。TAEの塞栓物質としては従来から金属コイルや、ゼラチンスポンジ（海外ではpolyvinyl alcohol）などの粒状塞栓物質が広く用いられているが、これらを単独で使用した場合、止血率、再出血率とも良好とはいえない。近年永久液体塞栓物質であるN－butyl－2－Cyanoacrylate（以下、NBCA）が広く用いられるようになり、止血率、再出血率とも良好な成績を示す報告が増えてきている。そこで本稿では、動脆性消化管出血に対するTAEについてNBCAを用いた塞栓術（以下、NBCA塞栓術）を中心に概説する。