管見太平洋戦争（第二次世界大戦）の再考覚書続編

摘要

昭和26（1951）年9月、サンフランシスコで対日講和条約が成立し、6年間にわたる占領に終止符が打たれた。この講和条約締結に当って、アメリカ政府は吉田首相に対して、再軍備を再三要請した。これに対して吉田首相は、憲法九条と国内輿論を楯に強く抵抗し、当時の我が国の経済状態は再軍備の負担に耐えられないとして再軍備を拒否したが、ソ連を初めとする社会主義圏も含めた全面講和は理想ではあるが、当時の東西冷戦という国際情勢のもとでは、それは夢に過ぎないとして、再軍備を含まない講和条約を締結し、同時に、対外安全保障のために日米安全保障条約を締結した。かくして、国内の政策は専ら経済発展に向けられることとたった。