研究集会「河川における生物多様性に配慮した堤防植生管理」の 報告

摘要

河川堤防は，洪水から国民の生命、財産を守るため，永年 にわたり築堤や補修力5'継続的に行われている長大な河川管理 施設である。この河川堤防の植生に求められる機能は，洪水 を安全に流下させるための耐侵食機能である。また，河川巡 視ゃ堤防点検における視認性の確保の点からも，河川堤防に おける適切な植生管理が重要である。しかしな力ら.維持管理予算の縮減によって，河川堤防で は.従来のような高頻度の刈取りによる堤防植生管理を行う ことが困難となつた。この堤防植生管理のあり方の変更は， 河川堤防における外来植物の蔓延などの植生変化を招いてい る。外来植物の優占する河川堤防の耐侵食機能や河川巡視、 堤防点検における視認性は，シバゃチガヤ力;'優占する河川堤 防よりも劣ること力知られるため，河川堤防の管理上望まし い植生を維持、誘導するための効率的な堤防植生管理が求め られている。