固形培地耕における異なる生育段階での日中の培地加温がイチゴ‘章姫’の開花，生育，収量に及ぼす影響

摘要

イチゴの高設栽培の設置面積は過去10年間で10倍以上に増加し，およそ400haに達している（農林水産省，2007）．イチゴ高設栽培導入の最大の動機は，作業性の改善であり，概して単位面積あたりの収量増については，二の次となっていることが多い．これは，固形培地耕という隔離床を使用する栽培体系では土耕とは異なった管理技術が必要とされるが，これらの技術が確立されていないことも一つの原因である．従って，収量向上のためには培養液管理とともに地下部，地上部を含めた環境管理を厳密に行う必要がある．既報（金ら，2009）における培地加温管理は，培地加温システムをすでに備えている場合には，簡易で有効な生産性向上技術であると思われる．