酪農家を「楽農家」に変えた町

摘要

芳賀郡茂木町は、栃木県の東南部に位置し、面積の約7謝を八溝（やみぞ）山系の山々に抱かれた自然豊かな町である。小規模な酪農家が多く町全体で乳牛飼養頭数600頭に対して草地面積が約80旭と少ない。家畜糞尿の野積みや糞尿の過剰施肥による地下水汚染、農家周辺の悪臭や害虫発生などが問題になっていた。　2001～02年度資源リサイクル畜産環境整備事業により家畜排せつ物処理施設として「茂木町有機物リサイクルセンター美土里館」を整備した。地域資源である5種類（牛糞、生ごみ、落ち葉、もみ殻、オガクズ）の原料により良質な堆肥生産が始まったのである。そして、「美土里館」を核とし、地域資源の循環をしながら「環境保全型農業の推進」、「ごみのリサイクルの推進」、「森林保全の推進」、「農産物の地産地消体制の確立」の目的を総括的に推進している。